一日一善と三膳

一日一善と三膳を通して世界とおれを幸せにする

バカを気にして生きるほど世間は狭かないだろう

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お題「自分を励ます言葉」

 

5月31日水曜日 少し曇り。いつもより更に早起きできたので、ドトール近くの松屋で前から気になっていた塩サバ定食を食べた。おいしかった。

 

いつものドトールで、激混みの喫煙席でおじさんが椅子に座れずに煙草を吸っていたので、テーブル席に座っていたおれは目の前の椅子を勧めた。これは善というよりも当たり前のことかもしれないけど、おじさんに酷く感謝されたので、善とする。一日一善。第12善。ごちそうさまでした。電車とは違って、始業開始まであと1時間半という状況で、おれはこの席を立ち去ることはできなかった。勇気を持っておじさんに声をかけた。

 

マイお題に挑戦する。

 

「自分を励ます言葉」

 

”バカを気にして生きるほど世間は狭かないだろう”

尾崎豊の「遠い空」という歌詞の一節だ。

 

おれは中学生の時に尾崎豊にはまっていた。当時のおれはこの歌詞に励まされたというより、羨ましく思っていた。なぜならおれの地元は人口3,000人の小さな町だからだ。

 

なあ尾崎、世間は狭いよ。おれが何かすればすぐに”あそこの倅”がと、この町では一気に広まってしまうんだ。良いことも悪いことも。新聞配達のおっちゃんが言ってた。「この町で日経新聞を購読してるのは、町長と助役とお前のお父さんだけなんだぞ」って。おっちゃん、それを聞いておれは一体何を思えば良いんだ?

 

月日が流れて、おれは東京にいた。

”バカを気にして生きるほど世間は狭かないだろう”

なあ尾崎、やっと尾崎と同じ東京でおれはこの言葉に触れることができたよ。おれは”あそこの倅”という呪縛から解き放たれた。それはすごく心地の良いことだった。おれはおれになれたんだ。

 

女の子をデートに誘う時、自然と思い出したよ。何度も何度も。”バカを気にして生きるほど世間は狭かないだろう”

 

なあ尾崎。いつの間にかあの町を離れてからの時間の方が長くなったよ。最近少しだけ、ほんの少しだけ思うんだ。あの町が恋しいなって。町長は元気なのだろうか?助役は町長になったのだろうか?新聞配達のおっちゃんは相変わらずだろうか?おれは自分勝手すぎるんだろうか?

(執筆時間48分)