一日一善と三膳

一日一善と三膳を通して世界とおれを幸せにする

コロナ禍での夫婦関係

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2020年6月26日金曜日。曇り時々晴れ。
昨晩23時過ぎの帰宅となり、予約していたオンライン英会話レッスンをキャンセルした。眠りについたのが1時を回っていたので、今朝は6:30まで寝てしまった。昨日今日とランニングをしていない。

妻がコロナ退職をした。
娘は2歳で保育園に通っているのだが、横浜市からの登園自粛要請で、4月半ばから先週までの2ヶ月間は毎日登園を自粛していた。妻も在宅勤務が命じられたので、ちょうど良かったのだが、結果それがコロナ退職のきっかけとなった。
要約するとマネジメント能力のない上司から到底処理不可能な仕事量を振られ、それに対して文句を言えなかった妻が、さらに元々苦手だった古株のおばさんから、進捗具合でちくちく言われて、追い込まれ、仕事を辞めた。

もし登園自粛要請ではなく、横浜市が登園禁止の措置を取ってくれていれば、妻は在宅勤務ではなく、自宅待機、つまり仕事をせずにただ自宅にいれば良いだけだったそうだ。
もちろんどうしても休めない仕事をしている保護者もいることは理解しているし、登園禁止にならなかったことに対して不満を言いたいわけじゃないが、登園禁止にしてくれていれば、離婚と言う言葉が頭をかすめることはなかっただろうと思う。
(待機児童の保護者から、保育園に預けられている時点で我がまま言うな。と言われればその通りなのだけれど)

妻が在宅勤務を開始して2週間ほどが過ぎた頃、家庭保育をしているということで、上司から1日2、3時間の作業さえすれば良いという話があったらしい。
だが妻は少なくとも5時間は毎日仕事をしていた。晩ご飯の時間になっても仕事をやめないし、分担している家事もないがしろにし始めたので、おれも何度か注意をしたが、仕事が終わらないから仕方ないじゃない!と怒鳴られるだけだった。

おれと妻は仕事に対する姿勢が全然違う。
おれも妻も雇われている身だが、おれは会社から搾取されている身だと常に意識をしながら、一方で自分が会社から様々なことを搾取してやろうと考えながら仕事に勤しんでいる。
妻はいつも会社に迷惑かけないようにと考えながら仕事に勤しんでいる。こういう2人が会話をするとどうなるか。

おれ「もう仕事切り上げなよ。ごはんも準備できたから一緒に食べようよ」
妻「まだ終わんないから先に食べてて!」
おれ「3時間やれば良いんでしょ?もう5時間やってるよ」
妻「終わらないから仕方ないでしょ!」
おれ「終わらなくても良いじゃん」
妻「良くないよ。みんなに迷惑がかかる」
おれ「3時間で良い仕事が5時間かかってるのは仕事の配分されてる量がおかしいんだよ。上司のマネジメントがクソなんだよ」
妻「とにかくやんなきゃいけないの!」

これを書いていてとても腹が立つことを思い出した。この上司の話だ。

妻は契約社員で仕事をしていた。2月から3月中旬くらいが繁忙期と言うことで、年末に事前に妻から相談があり、おれが定時退社して娘を保育園に迎えに行くことになったのだけれど、結局4月に入って妻の在宅勤務が始まるまでおれが娘を迎えに行き続けた。(ちなみにおれは9時-18時が定時で、妻は10時-17時が定時だ。朝娘を起こして、保育園に連れて行くのはそれ以前からおれがやっていたことなので、そのままやり続けていた。妻に残業で定時に上がれないのはわかったけど、どうせおれが娘を保育園に連れて行っているのだから、1時間早く出社してその分早く帰ったら?と誘ってみたのだが「朝は苦手だから無理」と一蹴された。読者の皆様ここは笑うところです)
3月の終わり頃に「そろそろ繁忙期抜けたかな?お迎え交代できる?」と妻に聞いたのだけれど、翌日に仕事から帰ってきた妻が「娘を迎えに行くために定時に帰らせてくださいってお願いしたら、上司が旦那さんもう少しなら大丈夫じゃないの?だって」と言われた。こういうことで嘘をつく妻ではないので、その上司は本当にそう言ったのだと思う。自分のマネジメント能力の低さを棚に上げて一度も会ったことのない人間のスケジュールにまで口を出してくるとんでもない人間だった。今思い出してもとても腹が立つ。当時は妻のスマホを借りて、一つ二つ罵詈雑言を浴びせてやろうかと思ったくらいだ。

どうして離婚が頭をかすめたかというと、5月になっても妻が5時間くらい仕事をしている状況は相変わらずで、ある日妻がパソコン前にしたまま仰向けに大の字になって天井を見つめていた。30分ほど放置したが一向に動かないので、声をかけると「もう無理!」と泣き始めた。

おれ「お茶入れるからこっちにおいでよ」
妻「もう辞める!」
ここで不用意に、辞めたら良いよ。と言うと、家計のこともろくに考えてないくせに!と怒鳴られるので
おれ「どうしたの?」と聞くに留める。
妻「こんなの3時間で終わるわけないじゃん!」
そこから10分、全てこれまでちょくちょく言っていた文句を総まとめにして、発表してくれた。
「辞めたら良いよ」の一言を分厚いオブラートに包む努力をした。
おれ「それはもう仕事がどうとかじゃなくて、健康を損なってると思う。精神的にも肉体的にも。これからも続けていくのはかわいそうで見てられないよ」
妻「うん」
オブラートに包んだ中身がもはや別のものになってしまっている気もしなくはないが、とにかく妻はおれのその言葉を飲み込んでくれた。
妻「もう辞める!」
おれ「うん。健康に勝るものはないからね」
と謎の相槌を打った。

それからすぐに退職のメールを書くと言ったので全力で手伝い、10分で書き上げてあげた。

送る前に妻と約束したことが2つあった。
1つは、残っている有休を全て使い切ること。
もう1つは、少なくとも6月の間は求職活動をしないこと。(これは忘れてもらっては困るので、カレンダーの下に紙に「1か月間は求職活動をしない」と書いて貼っておいた)

1つ目の約束は、妻の普段の会社に対する姿勢を見ていると、有休を全く使わずに退職するんじゃないかと思い、約束をした。まっとうに働いていたのだから、有休の権利くらい行使するのは当たり前だと思う。そしてこの約束は果たされた。
問題は2つ目の約束だ。これは結果守ってもらうことはできなかった。なぜこのような約束をしたかと言うと、今回もそうだが、妻はおれや家族以外の人に対してのかかわり方が絶望的に下手なのだ。基本的に言われたことは何でもやる。それが自分の処理能力を上回っていようが関係なく。
そんなかかわり方だと仮に次の会社に就職しても、今回のような無能なマネージャーしかいない会社だったらまた同じことになってしまうだけだから、まずは人とのかかわり方を見直すか、もう少し自分の適性を見直して、どんな仕事が向いているか、とりあえず1か月は求職活動をせずに考えてみよう。と伝えた。
だが、退職してから6日目に「この会社どう思う?」とスマホに求人アプリの画面を映して、言ってきたのだ。

おれはきれてしまった。こいつ何もわかっちゃいねえ。と。
それでつい「もう好きにしたら良いよ。おれが話したこと何も届いてないみたいだし」と言ってしまった。

そこから妻の怒涛の攻めが開始された。「そもそもあなたの給与が低いから私が仕事しなきゃやってられないんだから!」だと。おれは心底悲しくなってしまった。読者の皆様、ここ笑うとこです。
おれ「前から言っているけど、今おれに言っているみたいに、会社の人とかにも言えるようになれば良いんだよ。そうすればもっとスムーズに仕事できるようになるからさ!」
妻「こんな風に言えるわけないじゃん!」
それはあなたの匙加減以外の何物でもないんだけどな。と思ったが、おれはもう静かにすることにした。そして、頭の中に「コロナ離婚」という言葉が右から左に流れていったのだけれど、寝室で眠る娘が目に入り、その言葉をかき消した。

「考える」という行為は必ずしも”正解”に近づくとは限らない。下手をすれば悪い結果を招くことさえある。とおれは思う。妻と言い争いになる度に、考えてしまうのだけれど、同時にあまり考えないようにしようとも思う。


Amazonでストレッチ用のマットを買った。
縦185cm、横80cm、厚さ1.5cm。これでランニング前後にストレッチをして、あわよくば、時々筋トレをして、叶うことならこの上で妻を抱きたいと思う。「心技体」部活動で大きな大会に出場すると絶対に1枚はあった垂れ幕だ。それほどにこの言葉は大切なのだろう。「心技体」35歳になってもやはり大切なのだ。どれ一つ欠かすことなく精進しよう。ところで今のおれにとっての「技」ってなんだ?夫婦生活における技とは、結婚して約10年が経つが、今のところそれは、最近廃れ始めている言葉ではあるが「スルースキル」ではないかと思う。妻の言動をスルーすると言う意味では無く、妻の言動に対する自分の考えをスルーする。と言うものではないのかと。悪く言えば思考停止。だが夫婦生活にとってこの手の思考停止は非常に大切なのだと思う。技に留まらず、同時に心にも通ずる部分でもある。

残すは体。これに欠かせないのは適度な運動と性生活だと思う。性生活については次回時間をかけて書きたいと思う。
読者の皆様、これは全然笑うところではありません。大真面目です。