一日一善と三膳

一日一善と三膳を通して世界とおれを幸せにする

髪についての考察

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5月22日月曜日 晴れ。朝電車に乗っていて後頭部に当たる陽が暑かった。

 

11日振りのブログ更新。11日間風邪が治らなかった。もともと風邪なんか引くような体質ではなかったのに、多分加齢のせいだろう。治りが悪いというのも辛い。鼻水が出続けて止まらなかった。鼻が詰まっているせいで何を飲んでも食べても味がしないというのが一番辛かった。お湯に塩を溶かして鼻うがいをしたって何も変わらなかった。もう二度と風邪なんて引きたくないと思った。普段から体力をつけようと思う。

 

酔っ払いのおじさんに声をかけられた。「すいません。麻布十番に行きたいんですが、どっちに行けばいいですか?」おれは一瞬恐れおののき「多分あっちです」と言ってすぐにその場を立ち去った。後ろを振り返るとおっさんはその場に立ち尽くしていた。おれはスマホを開いて麻布十番までの道のりを確認してからおっさんのところまで戻って声をかけた「すいません。麻布十番はあっちのようです」とおっさんとスマホの画面を見ながら確認した。「ああ、なるほど、そこの大きな道をずっと左に行けば良いんですね。どうもありがとうございました。携帯失くしちゃって、もうどこがどこやらさっぱりで。助かりました」「そうなんですね。気をつけて」第8善。ごちそうさまでした。

 

一昨日治りかけの風邪を甘くみて散髪に行った。おれは同じ床屋にもう10年以上通い続けている。大学に入学して兄と1Kの狭いマンション(アパートではないマンションだ)で暮らし始めてまずやったことが床屋探しだった。初回割引に助けられながら長かった髪を少しずつ切り様々な床屋を巡った。そして5件目にして、今の床屋を見つけ出した。

 

喋るのがあまり好きではなさそうなご主人と奥さんが二人でやっている。ご主人が切り、奥さんは切らない。だから客は常に一人。完全予約制だ。狭い1Kマンションを出て2回引っ越したが、床屋だけは変えていない。もしお金持ちになったら、おれは2週に一度くらいのペースで床屋に行きたい。切らなくてもいいからご主人に髪を洗って欲しいと思う。18歳の時にそう思ってから、10年以上が経つが、残念ながらおれは今の所お金持ちにはなってはいない。

 

今回は夏が近いし短くした。奥さんは短い方が似合っていると言ってくれる。ご主人は何も言わない。おれの好きそうな雑誌をただ黙って並べてくれる。「その肉おいしそうでしょ?」とか言いながら。

 

ご主人とは一つ約束をしている。「おれの髪が薄くなり始めたら、正直に言って欲しい」と。ご主人は優しいから「大丈夫だよ。毛量が多いから、なかなかハゲないよ」と言ってくれる。

 

おれはもし薄くなり始めたら、一気にスキンヘッドにするつもりでいる。そのことを先日水沼課長(40代中盤フサフサ)に話したら「多分徐々に失われていくはずだから、どこで踏ん切りをつけるのかが難しいんだと思うよ」と言われた。なるほど。確かにそうかもしれない。でも基本的には一度薄くなり始めたら、もう歯止めが利かなくなるのが一般的だろう。そう考えると、やはり少しでも薄くなっている気配を感じた時に潔くスキンヘッドにしたほうが良いと思う。

 

いつかお金持ちになったら。と同じように、いつかハゲたらとずっと言っていたいものだ。

(執筆時間42分)