一緒に電車に乗った相手の声がデカすぎた時の対処法
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7月5日 曇り。蒸し暑い。雨は降らなかった。
先日仕事終わりに友人2人と晩ご飯を食べた。そしたらそこにたまたま見知らぬ女性が3人居合わせた。彼女達は酔いに酔った。1人はその場で眠ってしまった。23時も回り宴もたけなわ。おれはそのうちの1人の女性と帰る方向が同じで、一緒に電車に乗ることになった。
彼女は、「真実の口」に似た顔をしていた。だからおれは心の中で彼女をまみちゃんと呼んでいた。本当の名前は知らない。
電車に乗ってわかったのだが、まみちゃんは声が異常にでかかった。そして混んでいる電車の中でも構わず足を組んで座った。足はグラディエーターのそれだった。かと言って別にまみちゃんはイタリア系ではない。
まみちゃん 「ねえ!普段はどんな音楽聴くの?私は洋楽が多いんだよね!」
おれ 「そうなんだ」
まみちゃん 「どんな音楽が好きなの!?」
おれ 「少女時代が好きだよ」
まみちゃん 「ああ!そうなんだ!実は私もKPOP聴くんだよね!」
いちいち感嘆詞つけたような喋り方。まじうるせえ。周りの人がこっちを見ている。おれは本当にその場からいなくなりたかった。電車に乗ったつもりでいたが、おれはどうやら地獄行きの乗り物に乗ってしまったみたいだった。いや、地獄そのものに乗ってしまっていた。
まみちゃん 「ねえねえ!今からカラオケ行こうよ!私歌いたーい!」
おれ 「ああ、そうだね。そう言えば今日注文してたエスカレーターってカクテルあれは何ベースなの?」
まみちゃん 「は!?エスカレーターじゃないしっ!!オペレーターでしょ!!!???ぎゃっはっっっっっはははっhs!!!まじうけるうううぐぐっっっg!!!」
おれが悪かった。まじでミスった。こんなところでミスるとは一生の不覚。オペレーターね、はい。頼むから黙ってくれないかな?口に手を突っ込もうか?得意だろ?突っ込まれるのは?まみちゃんよ。
だがおれはこの瞬間一つヒントを得た。それまでは「うん」とか「そうだね」とか短い相槌で済ませていたのだが、少し長く喋ったことにより、まみちゃんは幾ばくかの間声を発することができなかったのだ。おれはそのことを見逃さなかった。
怪我の巧妙とはこのことだ。おれはそれから喋り続けることにした。だがまみちゃんに何かを聞くようなことはしてはならない。そこでおれは、少女時代の他はもっぱら落語を聴いているとまみちゃんに告げて、「芝浜」をやることにした。まみちゃんにも聞き取れるか聞き取れないかくらいのごくごく小さな声で「芝浜」をゆっくりとできるだけ時間をかけて一心不乱に喋り続けた。
人前で「芝浜」をやったのは初めてだった。もちろん誰の笑いも取れなかったが、その代わりにおれは安堵を手に入れることができた。
そして「それからお前さんは生まれ変わったように働きだした」と言ったっところで、まみちゃんの最寄駅に着いた。「あ、ここだよね?残念だな、オチまで辿り着けなかったよ。じゃあまたね」と言って彼女を送り出した。
まみちゃん 「ねえ!今度絶対カラオケ行こうね!またね!」
どんだけカラオケ行きたいんだよ。一人で行ってください。
一緒に電車に乗った相手の声がデカすぎた時の対処法 → 「芝浜」をやる。以上。
明日の懇親会の店の予約電話をしてあげた。一日一善。第35善。ごちそうさまでした。明日は会社の人と二人きりの懇親会。どんな話をするのだろうか?とりあえず帰る方向がバラバラだから安心だ。
今朝の体重74.2kg
朝 ドトールBモーニング316kcal
昼 梅干しおにぎり166kcal
夜 なし
トータル500kcal
仕事で遅くなるので、夜ごはんはなし。一日三膳ならず。ごちそうさまでした。
(執筆時間46分)