想像力に欠ける大人たち
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10年以上前、学生だったおれは居酒屋でアルバイトをしていた。ある日店長が「明日からイタリア人がバイトで入るから」とおれに言ってきた。
おれ「イタリア人ですか?」
店長「うん。イタリア人」
おれ「なんでまた?ここ和食メインの居酒屋ですよね?」
店長「知り合いに頼まれちゃってさ。日本語は少しできるみたいだから。色々教えてあげてね」
と。
イタリア人の彼の名はダンテと言った。ダンテは予定通り次の日から働いた。
ダンテの日本語力は、会話はいくつかの単語がわかるだけで、文字は全く読めなかった。
おれはダンテになぜ日本に来たのか聞くと、祖母が日本人で祖母の生まれた国がどんなところなのか知りたかったのだと教えてくれた。
ダンテが店に入って一ヶ月が過ぎた頃、オーダーを間違えて調理場に伝えてしまったことがあった。その時店長はダンテに怒って言った。「もう一ヶ月だぞ。良い加減少しは慣れてくれよ」と。おれはその現場を見ていた。
でも残念ながら、店長のその言葉の意味はダンテには通じていなかった。
ダンテ「なあ、テンチョーは何て言ってたんだ?もしかして怒ってた?」
おれ「うん。よくわかったね」
ダンテ「そんな気がしたんだ」
おれはその日ダンテとバイト終わりに飲みに行った。明け方に家に帰る途中おれはダンテには伝わらなかった店長の言葉について考えていた。
「もう一ヶ月だぞ。良い加減少しは慣れてくれよ」
おれは自分がイタリアに行って、一ヶ月働いている自分の姿を想像してみた。が、想像できなかった。そんなこととてもじゃないけどおれにはできそうにない。
多分店長はその月の売り上げが芳しくなく、誰かに八つ当たりしたかっただけなのだろうが、おれは「店長、あなたは想像力欠落マンだ」と心の中で思った。
東京で暮らしていると、最近はコンビニや居酒屋の店員さんは海外から来ている人がとても多い。
「コンビニの中国人がさあ、お釣り間違えてさあ」などと言う大人が、残念ながらおれの周りにはいる。そう言う話を聞くとおれは、悲しい気持ちになるのと同時に、彼らのことを”想像力欠落マン”と心の中で呼んでいる。
そんな彼らの頭の中がどうなっているのか、おれにはとてもじゃないけど、想像できない。
結局はおれも想像力欠落マンなのかもしれない。とても悲しいことだ。
あとがき
おれはこのブログを始める時に、ネガティブな内容のことは書かないでいよう。と思った。おれがそんなことを書かなくても、世の中には悲しいニュースや、辛い出来事がたくさんありすぎるし、意識しなくてもそういう話は山ほど耳に入ってくる。だからここではポジティブで楽しい内容だけを書いていきたいと思った。100記事に到達する前にその思いは砕かれてしまった。残念だ。明日はとにかく明るいことを書きたいと思う。安心してください。はいてますよ。
9月19日火曜日 晴れ。
今朝の体重75.1kg
朝 牛丼並盛りとお新香味噌汁セット
昼 梅しそおいなり、肉まん
夜 サラダ菜と人参のサラダ、鶏肉の甘酢煮
一日三膳。ごちそうさまでした。ついにコンビニに肉まんが登場した。しばらくはお世話になりそうだ。
(執筆時間58分)
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