【深夜シリーズ】どうしても捨てたい物がある1
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先日引越しをした時に、いろいろなものを捨てたのだが、一つだけ安易に捨てられないものを発見した。いや、発見したというのは嘘だ。おれはそのものの存在を忘れたことは一度たりともなかった。場所は完全に把握していた。それは2本のDVCテープ。
約10年前、学生の頃に、深雪がどうしても最中のことを記録しておきたいと言い出した。おれは大学に”若者の実態調査”のためにカメラ機材が必要だと申請をして、借りて撮影をした。その動画の入ったDVCテープだ。
結局深雪はそのDVCを一度も再生することはなかったが、なぜかおれに持っていて欲しいと言った。そして今そのDVCテープ2本はアディダスのスニーカーが入っていた箱の中に静かに眠っている。深雪は元気にしているのだろうか?おれは父親になりました。
それを不燃ゴミでぽいと捨てることはできない。それこそ流出事件に発展する可能性だってある。おれには中のテープ面を引きずり出して、空いた桃缶の中で燃やす責任がある。だが、おれの心が簡単にそうさせてくれない。深雪に持っていて欲しいと言われたからではなく、ただおれの心がそれを観ろとおれ自身に訴えかけてくるからだ。だから今までずっとアディダスの箱の中で彼らは寝息も立てずに静かに眠っている。
しかし、残念なことにDVCを再生する手段がおれにはない。家電量販店に行けば、DVDなどに変換してくれるサービスがあることは知っているが、何かしらの法に触れるのではないかという恐れもあり、実行する勇気がない。
おれに残された道は、DVCを再生できるハードを購入するしかない。一体いくらするのだろうか。と考えていたが、実家にDVC用のカメラがあったことを思い出した。
そして母親に頼み米と野菜と一緒に送って貰った。
続く
9月16日金曜日 曇り時々晴れ。
会社にいるおばさんの自宅のパソコンの相談に乗ってあげた。一日一善。第73善。ごちそうさまでした。日曜日に電話するかもしれないから、電話番号を教えてくれと。電話番号を教えた。電話はかかってくるのだろうか?かかってきたとして、おれは出るのだろうか?自分でもわからない。
今朝の体重76.0kg
朝 ドトールCモーニング
昼 バジルとトマトのパスタと照り焼きチキンサンドイッチ
夜 友人たちと居酒屋に行く予定
一日三膳。ごちそうさまでした。
(執筆時間47分)
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