季節外れのマフラーの話
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8月29日火曜日 曇り。
娘に会いたい。今週金曜日には仕事を終えて義実家に行くつもりだった。でも金曜日まで我慢できない。
会社から嫁と娘のいる義実家までは1時間半。片道1,000円かかる。往復2,000円。お金の問題じゃない。と言いたいところだが。お金は大事だ。
今は我慢しよう。おれは娘に会いたいが、娘はおれに会いたいとか、そんな感情はまだない。
それなら今は我慢して、いつか今我慢した分の2,000円を娘とコミュニケーションが取れるようになってから使おう。そうだな、例えば帰りにビックリマンチョコを買って帰ってあげるとか。
嫁と娘と3人で暮らすなるようになるまでの日を数えたら、平日で13日ある。つまり今日から毎日義実家まで会いに行ったとしたら、26,000円かかる。その分ビックリマンチョコを買って帰ろう。
なぜビックリマンチョコなのか。父がおれにそうしてくれていたからだ。時々、ウメトラ兄弟だったこともあった。
とかなんとか言いつつ、会いたいと言う気持ちを抑え込む。が無理だ。会いたい。会いたくて会いたくて、便意を催すほどだ。いや、もしかしたら、本当はもう漏れているかもしれない。
あれは10代最後の冬だった。
おれは新幹線に乗りこんだ。成人式に出ると言って地元に帰った有香に会うために。
でも正直、それは有香に会いたいと言うよりも、おれ自身のために有香に会いに行くべきだと思っての行動だった。
成人式が行われている会場の外で有香を待った。新成人と思われる人たちが会場から出てくるのがちらほら見えた時に、有香の携帯に電話をして、外にいると伝えた。
電話越しの有香の声は喜んでくれているように聞こえた。
そしてすぐに有香の母親の住むマンションに行った。今思うと申し訳ないことをしたと思う。久しぶりに会う地元の友だちと遊びたかっただろうな。と。
お母さんの住むマンションについて有香が隣の部屋で振袖を着替えている時にお母さんが「昨日寝るときもこれを離さなかったのよ」と言ってテーブルの上に置かれたマフラーを手に取った。
そのマフラーは2日前に品川駅で有香を見送った時に、おれが渡したマフラーだった。
お母さんは有香とおれの帰りの新幹線のチケットまで買ってくれた。
おれ「ありがとうございます」
お母さん「いいのよ。仲良くしてあげてね」
おれ「はい」
お母さん「東京に行ったらまたご飯でも食べに行こうね」
今考えると、あの時有香に会いに行ったことはおれ自身にとって良い事だったと思う。
とかなんとか言いつつ、やはり娘に会いに行きたい気持ちをどうにかごまかすしかないようだ。今日は善行を積めるほどの心の余裕がない。
今朝の体重74.7kg
朝 なし
昼 おいなりさん、バジルとトマトのサラダスパゲティ
夜 一平ちゃん、鶏の唐揚げと炊き込みおにぎり、キャベツ
一日三膳。ごちそうさまでした。今日もサラダを積極的に摂取した。
(執筆時間37分)