一日一善と三膳

一日一善と三膳を通して世界とおれを幸せにする

今日の登場人物は誰一人悪くない

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33日土曜日 晴れ。少しだけ暖かい。

 

保育園の面接に行った。20組くらいの親子がいたが、スーツを着ているお父さんはおれだけだった。面接というより、説明会だった。嫁に聞いていたのとはまるで違っていた。

 

10:30に保育園に着いてすぐにローレックスを左腕につけたおじさんが近づいて来て言った。

 

おじさん「それでは、これから急ぎで重要事項説明をしますね」

 

急ぎで?重要なことを?疑問に思ったが、とりあえず聞くことにした。聞き終わり、おれは嫁に今日のこの会の通知書を出してもらった。開始時間は10時になっていて、9:50に集合。となっていた。

 

おじさんに変に絡まずにいて良かった。こちらの落ち度だった。

 

おれ「今日は集合は9:50って書いてるよ」

嫁「え?」

 

通知書を事前に確認していなかったおれも悪いのだろうか?悪くないと思う。嫁も悪くないと思う。誰も悪くない。そう思うことで世界が平和に回るのなら、おれはその方向を喜んで選択する。いつしか、おれの中の何かが壊れてしまうのかもしれないが、それはまたそうなった時に考えようと思う。

 

とりあえず、もし、万が一、何かがまかり間違って、おれの手元にローレックスが転がり込んでくるようなことがあったとしても、つけるタイミングだけは、慎重に考えぬきたいと思った一日だった。