いずれ焼かれる言葉
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2月24日土曜日 晴れ。少しだけ暖かい。
嫁と娘が昼過ぎに義父母の車で帰って来た。そして嫁たちは、娘をおれに預けて、近くに住む義姉夫婦の家に行った。
どうやら娘はおれのことを覚えていたようで、抱き上げた時に最初少しだけぽかんとした顔をしたものの、すぐにニコニコと笑顔を見せてくれた。最初の30分は娘を高い高いしたり、一緒に横になってお腹に息を吹きかけたりして遊んでいたものの、30分が過ぎた頃からぐずぐずしだし、嫁が出かけてから帰って来るまでの約3時間ずっと泣き続けていた。
おむつを替えて、バナナを潰してスプーンであげて、縦抱っこをして家中を歩き回ってあげるも、娘は泣き続けていた。多分嫁がいないことに気がつき、さみしかったのだろう。
娘の泣いている様子を見ていると、かわいそうだな、と思うのと同時に、何か腹立たしい気分になっていることに気が付いた。おれはその腹立ちがどこからくるものなのか考えてみた。
いつまでも泣きやまない娘に腹が立っているのだろうか?違う。
じゃあおれは何に腹が立っているのだろうか?多分、娘を泣き止ませてあげられない、非力な自分に腹が立っているのだと思った。
おれは自力で泣き止ませるのを諦めた。そしてスーパーのビニル袋を娘の耳元でそっと擦り始めた。このビニル袋を擦り合わせる音を聞くと娘は98%の確率で泣き止むのだ。今日もこの手を使った。娘は泣き止み、そして眠った。
そして娘が眠りについた5分後に嫁が帰宅した。
おれ「ずっと泣いててかわいそうだったよ」
嫁「多分、私がいなくてさみしかったんだろうね」
おれ「うん。そうだと思う」
そう思っているのなら、さっさと帰って来いよ。
と言う言葉は、この世界に姿を現わすことはない。おれの血となり肉となり、やがて焼かれて消えるのだ。
この一週間の間に、娘には歯が生え、おれは200g増量した。親子共々日々成長している。
昨晩の体重77.9kg
朝 昨日食べきれなかった一平ちゃんの残り
昼 バナナ2本
夜 ごはん、煮込みハンバーグ
一日三膳。ごちそうさまでした。
スターを頂けたなら歌います。ブックマークを頂けたなら踊ります。読者になって頂けたなら脱ぎます。おれの自己紹介