一日一善と三膳

一日一善と三膳を通して世界とおれを幸せにする

姉は豆腐で、弟はこんにゃく

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228日水曜日 曇り。寒さがやわらいだ気がする。

 

なんだか今週は長い気がする。まだ水曜日だ。週末はまだなのか。今週末、4月から娘の行く保育園での面接がある。嫁はおれにスーツで行くようにと注意をする。多分おれと嫁との間には、この面接に対する考え方が違うのだろうと思う。

 

嫁は保育園側からおれたち家族が何かしらの判定を受ける、と考えているようだ。一方でおれはその保育園が娘を預けるに相応しいのかどうかの判定をする機会だと思っている。

 

これは就職活動中の人に対しても言えるのだと思う。就職活動における面接は、採用する側がされる側を判定する機会ではあるのだけれど、同時に採用される側が、自分が働くに相応しい会社なのかどうかを見極めるための場所なのだと思う。

 

渋谷で合コンをしていたあの頃、何故かはわからないが、相手が保育士さんだったことが多かった気がする。

 

志穂ちゃんも保育士だった。志穂ちゃんは島田の恋人で、犬アレルギーだった。当時島田と志穂ちゃんが、おれが居候させてもらっていた唯ちゃんの家に遊びに来た。唯ちゃんは小型犬を飼っていて、そこで志穂ちゃんの犬アレルギーが発覚した。ずっとくしゃみをしている志穂ちゃんがかわいそうだったが、4人と1匹で一夜を明かした。

 

次の日には、唯ちゃんの弟が東京の大学に試験を受けに来た。唯ちゃんは3人で原宿のまい泉に行こうと言った。弟は唯ちゃんの2歳下で、おれは唯ちゃんの1歳下だった。

 

唯ちゃんは白い豆腐のような女の子だったが、弟は黒いこんにゃくのような男の子だった。

 

まい泉に行って、とんかつを食べた。唯ちゃんは弟思いの優しいお姉ちゃんだ。弟からしたら、おれは一体どういう風に見えていたのだろうか?

 

翌日に受験を控えた弟は当然唯ちゃんの家に泊まることになった。おれはさすがにその日は遠慮しようとしたのだけれど、唯ちゃんが弟の前だと言うのに、どうしても一緒にいたいと言った。それに続けて弟は「気にしないでください」とおれの目を見て言ったのでおれは、よせば良いのに泊まることにした。

 

なるべく弟の邪魔にならないようにおれは帰り際に本屋で『カモメのジョナサン』を買って本を読んだ。多分『カモメのジョナサン』を買ったのは、あの時ですでに3度目くらいだったと思う。唯ちゃんはファッション雑誌を買って読んでいた。弟は真面目な顔をしてテキストを見ながらノートに何かを書いていた。

 

23時頃、弟が寝ると言ったので、おれと唯ちゃんも寝ることにした。唯ちゃんの部屋には広めのロフトがあった。真上から見るとダンベルのような形をしていて、左右の重りを細い通路が繋いでいた。その通路は大体5mくらいあった。右の重りの方に布団を敷いて弟が寝て、左側の重りの方にあるシングルベッドで、おれと唯ちゃんはいつも通りに眠った。

 

少しして弟のいびきが聞こえてきた。あまりの寝付きの早さにおれはあっけに取られていたら、唯ちゃんがおれの下半身に手を伸ばしてきた。唯ちゃんの家に居候するようになり一月が過ぎた頃だったのだけれど、唯ちゃんからそんなことをしてきたことは今までに一度もなかった。

 

「興奮する?」

 

唯ちゃんの小声がおれの鼓動のボリュームを上げる。

 

「さすがにまずいよ」

「まずくないよ」

 

唯ちゃんは止まらなかった。おれも唯ちゃんを止められなかった。おれは豆腐のような唯ちゃんの肌に触れながら、こんにゃくのような弟の合格を心から祈願した。

 

 

娘が通う保育園の保育士さんが、みんな、志穂ちゃんのような優しい保育士さんばかりだったら良いのにと心から思う。

 

 

 

 

昨晩の体重77.9kg

朝 6100円のチョコチップパン

昼 おにぎり2個と旨辛チキン

夜 ごはん、味噌汁、豚肉と野菜の炒め物

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一日三膳。ごちそうさまでした。

 

 

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