一日一善と三膳

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【勝手に続編】直前のコンビニが絶頂

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いるかピーさんに捧ぐ

そのおっぱいの続きが知りたい - believe in you いるかピー

 

◇◇◇◇◇

 

日曜日の昼間、繁華街から離れていく電車にはあまり人が乗っていなかった。可奈子ちゃんは扉に背中をつけ、銀色の手すりを右手で握り、おれの肩越しに流れていく外の景色を見ているようだった。

 

電車を降りて、家に向かう途中コンビニによってお菓子を買おうと可奈子ちゃんを誘った。

 

おれ「そこにセブンがあるからお菓子買っていこう」

可奈子ちゃん「うん」

おれ「可奈子ちゃんは炭酸飲む?」

可奈子ちゃん「うん。コーラ好き」

おれ「おれも。じゃあコーラも買おう」

可奈子ちゃん「うん」

 

セブンで芋けんぴとビーノとコーラと杏仁豆腐を買った。

おれは女の子と二人きりで密室に入る前に立ち寄るコンビニがこの上なく好きだ。おそらく、興奮のピークには、二人きりになった部屋の中ではなく、コンビニのレジ前で既に到達してしまっていると思えるほど、おれは”直前のコンビニ”が好きだ。

 

可奈子ちゃんがおれの部屋に来たのはその日が初めてだった。

 

セブンのビニル袋の中から杏仁豆腐とコーラを取り出して、杏仁豆腐は冷蔵庫に入れ、コーラは氷を入れたコップに注いだ。

 

おれ「はい。これ」

可奈子ちゃん「ありがとう。ねえ、テレビ見てもいい?」

おれ「うん。何か見たいのあるの?」

可奈子ちゃん「別にないんだけど、日曜日の昼過ぎにテレビを見るのが好きなの」

 

おれにとっての”直前のコンビニ”は、可奈子ちゃんにとっての”日曜の昼過ぎのテレビ”なのだろうと思った。

 

無印良品で買った新生活応援セットの一つだったベッドマットレスの上に二人で座り、これもセットだった無印良品のテレビを二人で見つめた。テレビは小さくて、そこに映し出された日曜日のタモリさんはもっと小さかった。

 

こういう時、時間を不必要に空けるのは良くない。おれは自分に言った。そして、小さなテレビに目を向ける可奈子ちゃんの背後に回り、マットレスの淵に座る可奈子ちゃんを両足で挟むようにして座った。可奈子ちゃんはおれの膝に手をかけた。そしておれは可奈子ちゃんの胸にそっと右手を当てた。

 

部屋の隅に置いてあった、これもまた無印良品で買った姿見に可奈子ちゃんの表情が映し出されていた。可奈子ちゃんはそれをわかっていたのだろうか?表情を全く変えずに、テレビに映し出されるタモリさんを見続けていた。

 

おれはわびしい気持ちになった。そして、可奈子ちゃんの胸から肩へと右手の位置を変え、一緒にタモリさんを見ることにした。

 

 

 

気がつくと、画面からはタモリさんはいなくなっていた。そして、可奈子ちゃんはおれのお腹に顔を埋めて眠っていた。おれも少しの間眠ってしまっていたみたいだった。

 

おれは可奈子ちゃんの両脇に手を入れてベッドの上に乗せてあげた。頭をそっと枕に乗せてあげようとした時に可奈子ちゃんの両腕がおれの首元に回った。そして可奈子ちゃんは目を瞑ったままおれの顔を自分の顔へと密着させた。

 

さっきのわびしい気持ちが夢の中の出来事だったかのような錯覚に陥りながら、おれは可奈子ちゃんと交わった。可奈子ちゃんは声を押し殺しながら、終始目を瞑っていたように見えた。

 

20分ほどが経った時だった。おれの上に乗っていた可奈子ちゃんの顔をよく見ると、閉じられていると思っていた可奈子ちゃんの目は半分ほど開き、白目を剥いていた。

 

一瞬にしておれの全身を鳥肌が覆った。だが、おれはその鳥肌を追い払うべく、可奈子ちゃんと身も目もシンクロすることに心を決めた。そして二人で一緒に白目を剥いた。

 

 

おれは、あの時、うまく白目を剥けていたのだろうか?

知る術もない。